千手観音さまってどんな方?
名前の意味は?
千手観音は正しくは千手千眼観世音菩薩といいます。
「菩薩」とは悟りを目指す求道者のこと。観音さまはすでに仏さまと同じ悟りをお持ちですが、あえて苦しむ人々の中で救済に尽くされている方なので大菩薩といわれます。
観世音とは「世」の人々の苦しむ「音」を「観」察する方ということ。その観察が無数の眼によって微にいり細に入り、その救済が無数の手によって様々な方法で行われるところから「千手千眼」と呼ばれます。仏の慈悲が具体的な行動として現れ出る様子を表しているのが千手観音さまです。
そのお姿が表すものは?
そのお姿を拝すると、何といっても特徴的なのは太陽の光のように四方八方に広がる千本のお手です。このお手のエネルギーに満ちた姿は観音さまのお慈悲の広がり・自在の活動を表しています。お姿をよく見ると、その中心には静かに合掌するお手があることに気づきます。合掌とは精神を一つのものに向けて集中する印。つまりこの深い精神統一からエネルギッシュで自在の千本のお手の活動が現れるのです。私達は合掌して観音さまに集中します。観音さまもまた私達に集中しておられます。互いに拝み拝まれ一体になったところから千本のお手の自在な働きが現れ、また私たちも心と活動の自在を得るのです。千手観音さまのお姿には汲めども尽くせぬ深い智恵が表されています。
観音さまは男ですか女ですか?
観音さまは女性と思われている人が多いようですが、お顔をよく見るとひげをはやしておいでです。では、男性かといいますと、体つきは女性的であります。実は観音さまは男でも女でもありません。観音さまは慈悲そのもの、宇宙を生成しすべてを包み込む大地のような母性そのものです。私たちを含めたこの世界は苦しみに満ちた世界ですが、一心の信仰によってそれは慈悲に満ちた世界へと変わり得るのです。その慈悲に満ちた世界の先端的な顕れが観音さまです。子供が泣いていると何を置いても駆けつけ、何の見返りも求めず世話をしてくれる母の愛情の純粋なかたまりのようなお方が観音さまといっていいでしょう。
観音さまはどうして蓮華をお持ちなのですか?
蓮華は泥の中より生まれながら、泥に汚れることなく清らかな花をさかせます。私たち人間も煩悩の泥にあって泥に染まらずに清らかな悟りの花を咲かすことができる、その可能性をもっている。このことをお示しになるために観音さまは蓮華をお持ちになっています。それは単なる喩えではなく、この宇宙のあり方、人間のあり方を深い智慧によって見極めた教えなのです。
観音さまをお参りするにはどのようにすればいいのですか?
観音さまの功徳を説いたお経に「妙法蓮華経普門品」(通称「観音経」)があります。ここには危機に直面したとき、真剣な願いのあるとき、自らの欲望や怒りや愚かさに悩むとき、一心に信じて「南無観世音」と唱えなさいと説いています。合掌して、心に観音さまのお姿を思い起こし、口に何度も一心に「南無観世音」と唱えることが基本です。当山では次のようにおすすめしています
宝号 「南無大慈大悲観世音菩薩」
3回または9回
真言 「おん ばざら たらま きりく」
7回あるいは21回あるいは心ゆくまで
さらに時間がとれるようでしたら、この宝号・真言の前に「般若心経」「観音経」をお唱えできたらさらにいいです。詳しくは住職に遠慮なくお尋ねください。
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